1.一番厳しい状況に置かれた方々の典型といえる がん患者とそのご家族、ご遺族の心のケアを行う 大西秀樹先生 インタビュー

(BY Atsuko MINATO)

ヒルル:今日は悲しい話題ですが、愛する家族を亡くした方々がどうやったら悲しみと向き合えるのか、大西先生に伺っていきたいと思います。まず先生のご専門を教えていただけますか?
大西先生:私はがん患者とそのご家族、そしてご遺族の心のケアをする 精神腫瘍医 です。病院では「家族外来」や「遺族外来」を設けて、患者さんの他に、そのご家族、ご遺族の心のケアにあたっています。

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ヒルル:大西先生はこれまで多くのがん患者、そのご家族、ご遺族と向き合われてらっしゃったのですね。なぜがん患者をご専門になさっているのでしょうか?
大西先生:日本人の二人に一人ががんに罹患し、三人に一人ががんで死にます。そして、がん は日本人の死亡者数で最も多い病気です。「がん=死」というイメージがあることから、がん告知はその方の人生を根底から覆します。人生計画、家族計画 がすべてご破算になってしまうんです。がんがもたらす痛みは、身体、心、社会的、霊的、すべての局面に及びます。がん患者の家族も患者同様の心の痛みを経験します。配偶者と死別後 うつ病 になったり、後を追うように亡くなられる方 も少なくないんです。ですからがん患者とその家族は、ある意味一番厳しい状況に置かれた方々の典型と言うことができます。ここでの経験が、他の病気や事故、事件で家族を失った方のケアにも役に立つのではないかと考えています。