乳腺症・・・。のう胞(2/2)| 矢形寛 先生(聖路加国際病院)

(第4回 聖路加国際病院 インタビュー)

乳腺症・・・。のう胞 (1/2ページ) から続く


ヒルル:しこりと間違えられやすいのは、どのような場合なんですか?
100517_01.jpg矢形先生:通常の診断では、超音波検査をします。この検査では、白と黒で色を分けて影を見ていますが、がんものう胞も黒くうつります。のう胞の場合、特に真っ黒なのでがんと見分けがつきます。何か細胞が入っていると、灰色っぽくなったり白っぽくなったりするんです。ところが、中には本当に黒っぽくうつる、がんもあります。だから、それを間違えてはならない。これは病院側の問題なのですけれど。怖いのは、いびつな形の のう胞 と思っていて、のう胞ではなかったときです。ただ、間違いなく のう胞 だという前提であれば、これは心配ありません。あきらかに病院で「これは、のう胞です」とキチッと診断がされているのであれば安心してよいけれども、そうでない場合は、一応、訊いておいた方がいい。
ヒルル:いびつということは、あり得ることなんですね?
矢形先生:そうですね、十分あり得ますね。我々もはじめての超音波検査で、クシャクシャの、いびつなのう胞を見るとドキッとすることもありますよ。経過を追っていれば、ぜんぜん心配ないですけどもね。医師が心配であれば、キチッと針を刺して細胞なり組織を採って確認します。それは医師の判断です。
ヒルル:マンモグラフィは使わないのですか?
矢形先生:のう胞がたくさんある人はね、マンモグラフィという検査で、がんを見つけることは難しいことが多いですね。だから、超音波検査をやってもらった方がいいかと思います。若い人は乳腺組織が豊富なので、マンモグラフィで見えにくい場合が多いです。
ヒルル:どうして、見えにくいのですか?
矢形先生:組織が豊富だと、中が透けて見えないのです。がんも組織ですから、組織と組織が重なってしまうと見えなくなってしまう。みんながみんなそうではなく、きちんと見える人もいますけどね。
ヒルル:マンモは先生によってよく使う方、使わない方と別れるのではないかと思いますが。

100517_02.jpg矢形先生:いえ、マンモグラフィはやはり基本です。検診としては唯一、世界的に有効性が証明されているものなので、通常は撮ることが多いですね。ただ、先ほど言ったように乳腺組織が豊富な人や、のう胞がある人はわかりにくい場合もあるので、人によって使い分けることもあります。ただ、一度はマンモグラフィを撮ると思います。マンモグラフィでしかわからないものもありますから。
ヒルル:マンモグラフィでしかわからないものとは?
矢形先生:たとえば、「石灰化」と言われる、白い点々です。超音波でも見えるものあるのですけれど、マンモでしかわからないものも結構ありますから。 いずれしても、のう胞の中にしこりの成分、組織がある場合は、病院でキチッと確認しなければならないですね。
ヒルル:けんけんさんのお母さん世代の人たちに何かアドバイスを。
矢形先生:閉経後の人、生理が終わって、のう胞ができる人は稀です。からだの中で女性ホルモンが減って乳腺を活発に活動させようとすることはなくなっていきますので、そこで何か水を含むしこりが出てきたときは要注意ですね。
ヒルル:矢形先生、ありがとうございました。

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