乳がんの治療はどこまで? 乳房温存・切除手術〜最新の乳房再建手術

(第3回 湘南記念病院 かまくら乳がんセンター 土井卓子先生インタビュー)

■乳房温存手術と乳房切除手術

ka1.jpg乳がんの治療は、ステージ(がんの進行具合、ステージ0~Ⅳ期にわけられる)や、がんのタイプによって大きく異なります。
近年では、部分的に手術する「乳房温存術」が主流で、約60%を占めますが、たとえステージ0期でも広がりやすいタイプのがんであった場合、再発を心配される場合には、乳房すべてを摘出する「乳房切除術」が選択されます。

近年では、抗がん剤などを一定期間投与後、しこりを小さくしてから乳房温存術を行う場合もあります。女性にとって、乳房を失うのは精神的にも苦痛をともないます。

そのため、多くの患者さんは「できれば、乳房温存療法を」と希望されますが、乳房切除術にも、再発・転移の危険性が低くなる、術後に放射線照射をしなくて済むなどのメリットがあります。

乳房を全摘した胸のままでも、日常生活に支障はありません。補正下着などもあるので、おしゃれも楽しめます。

それでも、人目を気にせずに温泉に入りたい、乳房のない自分を受け入れられないといった場合には、「乳房(にゅうぼう)再建手術」があります。

  ■最新の乳房再建手術とは?

 乳房再建手術では、胸の筋肉の下にテイッシュエキスパンダーという水の入ったパッドを埋め込み、日数をかけて水を注入して大胸筋を伸ばし、最終的にはシリコンを入れます。

乳頭は形成し、アートメイクで色をつけます。病院によっては、テイッシュエキスパンダー留置は乳がんの手術と同時にできます。術後年数が経過していてもできるので、よく検討してからでも遅くはありません。

ka2.jpg温存療法でも、しこりのある部分は手術で切り取られるので、乳房にへこみができたり、治癒の過程での癒着で引きつれたりといった変形の可能性があります。

その場合も、自分の脂肪組織の元になる幹細胞を分離して注入するなど、さまざまな乳房再建方法があるので、
ひとりで悩まずにぜひ専門医に相談してください。

 執刀医であり、かつ、一人の女性でもある土井先生からヒルルユーザーにメッセージを頂けますでしょうか。

 自分の からだを 鏡に映してよく見る、さわる、検診で調べる。 乳房に対し、自分のからだに対し、どうか 「いとおしい」 という気持ちを持って、乳がんを予防・治療してください。 土井卓子

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土井先生の診察デスクに貼ってある メッセージ ポストカード

「でもね キミの チカラに すこしでも なりたいんだ」
「やっぱり えがおの キミが スキ」
「だいじょうぶ ボクが そのキモチを ぜんぶ うけとめてあげるよ」