スパゲッティナポリタン from『横浜流』

たいていのイタリア人の生活とは無関係(酷く嫌悪する人も)の"ケチャップ"    コレを使った料理と言えば

「スパゲッティナポリタン」

じつは、これ、日本発祥の料理なのです。


「当時、トマトケチャップとスパゲティは軍用食だったのです」

とヒストリーを語ってくれるのは横浜の老舗ホテル、ホテルニューグランド元総料理長 高橋清一氏。

高橋清一氏: 「終戦とともにホテルニューグランドを接収した進駐軍は、それまで日本人になじみのなかったトマトケチャップを持ち込み、茹でて塩胡椒で味付けしたスパゲティーに和えて食べていました」

ワイルドというか、シンプルですね・・・
高橋清一氏: 「はい、それを見た当時の総料理長だった入江茂忠が、トマトケチャップではいかにも味気ないので苦心の末、刻んだニンニクに玉ねぎや生トマト、トマトペーストを入れ、風味豊かなトマトソースを作りました。そして、ハム、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームを強火でよく炒め、スパゲッティを加え、トマトソースに合わせ、すり下ろしたパルメザンチーズとパセリのみじん切りをたくさんふりかけました
スパゲッティナポリタン(ナポリ風),ホテルニューグランド,Hotel New Grand Yokohama
時代を経ても入江茂忠総料理長のときと変わらない「スパゲティナポリタン」

ホテルニューグランドは、ケチャップを使ってはないですね?
高橋清一氏: 「使ってはいません」
では、どうしてケチャップのナポリタンが広まってしまったのでしょうか?
高橋清一氏: 「ホテルニューグランドで誕生したスパゲッティナポリタンは日本人の口に合ってまたたく間に広ました。しばらくすると、街の喫茶店で簡便なケチャップを使ったものが出されるようになり、それが日本中で流行しました」

名前の由来は?
高橋清一氏: 「中世の頃、イタリアのナポリでスパゲッティは、トマトから作られたソースをパスタにかけ、路上の屋台で売られた貧しい人々の料理でした。当ホテルではそれをヒントに『スパゲッティナポリタン(ナポリ風)』と名付けました。ちなみに、イタリアでもアメリカでも『スパゲッティナポリタン』という言葉は存在しません」




英国人が本当に好きな料理のひとつローストビーフもアーサー王時代と変わらないヨークシャープディングが添えられる。今もなお、オーセンティック(正統)な料理を味わえるホテルニューグランドに敬意を表したい。(ヒルル編集長)


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※美しい写真とともに高橋清一氏が西洋料理の神髄を語るこの本は、ホテルニューグランドでも購入出来ます。

ホテルニューグランドHP: