サイコオンコロジーってなに? 保坂隆先生 Interview_2

精神腫瘍医 保坂 先生 インタビュー (BY Atsuko MINATO)

 サイコオンコロジーってなに? 保坂隆先生 interview_2


ヒルル:先生の標榜する科の名称として「サイコオンコロジー」とか、「リエゾン精神医学」とかありますが、保坂先生は何の先生なんですか?

保坂先生:基本的には精神科医です。その中でも リエゾン精神医学 を専攻してきました。リエゾン精神医学とは、他の診療科と連携を取りながらチーム医療に貢献する臨床形態のことです。一方、サイコオンコロジーとは、サイコ(Psycho=心理、精神)とオンコロジー(Oncology=腫瘍学)から成る言葉で、日本語では「精神腫瘍学」などと言われています。がん が心に与える影響や、心が がん に与える影響を研究する学問です。リエゾン精神医学のなかで、がん領域に特化したものが サイコオンコロジー( Psycho - Oncology =精神腫瘍学) です。

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ヒルル:サイコオンコロジストでリエゾン精神科医の保坂先生は、具体的にどのようにがん患者とかかわっているのですか?

保坂先生:まず、がん患者の3-4割には何らかの精神障害が合併していて、一番多いのが 適応障害 と うつ病 なんです。がん患者は がん にかかったことに対するやり場のない怒りを、後悔や自責の念を抱いたり、周囲へ八つ当たりして発散します。しかし主治医や家族は「がんになったのだから落ち込むのも無理はない」、あるいは「うつ病になるはずはない(なってほしくない)」と思いがちで、発見が遅れがちなんです。一方で、がんへの対処の仕方とがんの予後に関しての研究によれば、絶望的になる人々は免疫機能が低下しがんの進行が速くなって再発率や死亡率が高いんですが、前向きにがんに立ち向かう人々は余命が長くなるわけではないとしてもQOLQuality of Life、生活の質)が高い、つまり楽しく有意義な生活を送ることができる、ということがわかっています。

そのような意味で、私の仕事は、がん患者のQOLが少しでも高くなるよう心のサポートをし、そして第二の患者といわれる家族の心のケアを行うことなんです。

 

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