乳腺症・・・。のう胞(1/2) 矢形寛 先生(聖路加国際病院)

(第3回 聖路加国際病院 矢形先生インタビュー)

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ヒルル: けんけんさんは、のう胞があることで不安になっていますが。
矢形先生:基本的に、のう胞は放っておいていいものです。
100423_01.jpg乳腺の細胞というのは分泌物を出すという役割を果たしていますね。分泌物を出そうとしているのに、それが乳管に沿って出て行かなければ溜まってくるわけです。そうすると、所々に袋を作っていって水の溜まりができます。1カ所だけできる人もいれば、何カ所もできてしまう人もいます。乳管が膨らんだもので、それ自体はがんでないので、放っておいていいものなのです。
ただし、のう胞の中に放っておいてはいけないものもあります。のう胞で水の溜まりを作っているのは同じでも、その内部に何かしこりの成分がある場合です。たとえば、乳管内乳頭腫というものがあります。この場合は、袋を作って自ら分泌物を出して増殖していきます。これは良性なのですが。あと、のう胞内乳がんというのもあります。やはり同じように袋を作りながら、水を溜めながら、がん細胞が増殖してゆく、しこりの部分も増えてゆく。のう胞の中に、そういったしこりの部分がある場合は、注意が必要です。
ヒルル: 乳管内乳頭腫と、のう胞内乳がんの明らかな違いは?
矢形先生:この2つは、実は見分けるのがなかなか難しいのです。だから、組織を採取して診断しなければならない。確かに全般的な違いはあるのですが、絶対的なものではないので、これは乳腺の専門医にかかって組織をとってもらい診断を確実にする必要があります。
ヒルル: この場合、年齢は関係しますか?
矢形先生:年齢によっても違います。30代ならば、だいたい良性の乳管内乳頭腫のことの方が多いですね。逆に60代、70代、80代となってくると似たようなものがあっても乳がんである可能性が高くなってきます。ただし、これも絶対ということではありません。
ヒルル: けんけんさんは、さらに詳しく調べる必要がありますか?
矢形先生:単なる、のう胞とハッキリわかっている場合は、針を刺す必要もないし、基本的には放っておきます。ただ、しこりっぽくなってきて気になる場合は針を刺して水を抜くことがあります。でも、また出てくることがありますよ。その場合には、針の刺し損かもしれません。
ヒルル: けんけんさんは、いびつなのう胞ということで心配されてますが。
矢形先生:投稿をみると、のう胞があって、経過観察をしている。その中にいびつなのう胞があって不安で仕方ないということですが、このようなことは、ときどきあります。
ヒルル: どうしてですか?
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矢形先生:水が溜まって膨らんでいるときは、均等に押し出しますので丸くなります。しかし、それが萎もうとしたときには、皺になりますね。緊張が解けて吸収傾向にあるときは、こうした、いびつな形をとることがあります。前からあるのう胞で、それがちょっといびつになっただけであれば、放っておいていいと思います。ただし、ときに、通常のしこりをのう胞と見間違えることもあるので、その点は注意が必要です。

乳腺症・・・。のう胞(2/2に続きます

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