おっぱいのしこり、良性か悪性か・・・・(1/2)

(第5回 聖路加国際病院 矢形先生インタビュー)

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ヒルル: acoさんから、このような投稿が届いているんですが...
矢形先生:うーん、結果的にはね、これ、3番目の病院で良性だったので、1番目の病院が一番優れているかもしれません。
ヒルル: えっー、そうなんですか?
矢形先生:つまり、1番目の病院はマンモとエコーだけで、これは良性と断定できるぐらい能力が高かったかもしれないわけです。しかし、2番目の病院では、acoさんご本人が少し心配されているので「では、針を刺して調べてみましょう」ということになったのかもしれませんね。そうしたら、たまたま3という結果が出てしまった。でも、まあ、本当は良性で経過をみていいのではないかということですけれど、acoさんご本人がスッキリしないということなのでしょうね。実際に診てみないと、わからないですけれども。
ヒルル: それでは、どうしたらいいんですか?
100827_01.jpg矢形先生:少なくとも、のう胞ではないなら、細胞診ではなく組織診までやってもいいかなと...。いろいろな考え方があって、実は細胞診というのは注射針を使ってやるので、ご本人の負担も非常に少なく簡便です。しかし、ときどき診断に限界があります。その次に簡便なのが、針生検という方法ですね。針生検は、局所麻酔をして、注射針よりも太めの針を刺し、組織を採っていくという方法です。そちらの方が一般的に診断能力が高いと言われています。だから、より診断能力を高めようと思ったら、針生検で組織を採って診断するのが一番妥当だと思いますね。細胞診で3と出て、ご本人が不安であれば、組織診までやってあげるということも、あっても良いかなと思います。acoさんの実際の状況が細かいところまではわからないので、はっきりしたことは言えませんが。

ヒルル: 2番目の病院で経過観察で終わったことについては?
矢形先生:2番目の病院で細胞診をして3で、たぶん良性でしょうと言ったときに、経過観察をするか、あるいはもうちょっと進めて針生検をするかは、acoさんご本人との話し合いの中で決めてゆくものだと思います。
ヒルル: acoさんの場合、細胞診の結果が良い方に違っていましたが...
矢形先生:細胞診の診断が病院によって違うことは、ときにあります。それから、病院自体が細胞診の診断能力がとても高いということもあります。そういうところでは細胞診を中心に動きますね。患者さん側からは、わからないので、訊くしかありませんね。 「細胞診で間違うことはありませんか? 私の場合は大丈夫ですか? 組織診までやらなくていいですか?」そういう質問がインターネットで出ていましたって、医師に訊けばいいと思いますよ。そうすれば「そうですね。細胞診の診断は不安定なので、がんばって組織診までやりましょうか」とか、あるいは「確かにそういうことありますけれども、非常に診断能力が高いので、あなたの場合は特に、この細胞診の診断で、まず間違いないと思います」とか、言われるはずです。答えられなければ、その医師が自分のところの細胞診の能力をわかってないことになります。
ヒルル: acoさんは、組織診をすべきかなと思ってるそうですが。
100827_02.jpg矢形先生:まずは3番目の病院に行って、針生検までしなくていいのか、そこでできるのか、できないのかを確認してはどうでしょうか。acoさんがとても不安であるなら、不安であることもしっかり伝えたほうがよいですね。もし病院が対応してくれないとか、医師が納得のいく説明をしてくれないということになったら、いきなり他の病院に行くのではなくて、そこの資料を頂いてから次の病院にいくことが望ましいですね。 acoさんの病院は実際そうなのかもしれませんが、乳腺専門の病院で、納得のいく説明を受けること、ご本人がきちんと質問することが重要です。acoさんがわからないことに対して、それで向こうが不機嫌になったり、何の説明もしてくれないのであれば、病院を変えた方がよいと思います。 いずれにせよ、心配であれば経過観察は必要ですよね。

ヒルル: 矢形先生、もう少しだけ、詳しく教えていただけますか?
矢形先生:どうぞ、いいですよ。

おっぱいのしこり、良性か悪性か・・・・(2/2)に続きます。

ヒルル「専門医 ドクター Q&A」は、ユーザーに対して診断を行うものではありません。ある事例に対して、がんの予防や早期発見、治療などについての専門医による助言を提供し、医学的にどのような選択肢があるのか理解を深めていただくための情報コンテンツです。
また、投稿コメントが必ずしも投稿者自身の状態を正確に評価し、過不足なく記述されているとは限りません。当サイト内で得られた情報はあくまでも参考程度にとどめ、個々の症状およびケースについては、しかるべき医療機関を自身の判断で受診してください。(ヒルル管理者)

「BCネットワーク第2回乳がんシンポジウム@横浜」リポート

2010年7月10日(土)、「はまぎんホール ヴィアマーレ」において、「BCネットワーク第2回乳がんシンポジウム@横浜」が開催された。

100804_01.gifBCネットワークは、NY在住日本人女性たちが設立した、乳がん患者団体(NPO)。基調講演では、代表・山本真基子さんの執刀医でもあり、現在NYで活躍するシュナベル先生(ニューヨーク大学・乳腺外科部長)が、患者力の大切さについて語った。

医療史の中では、「患者教育」は新しい出来事
 シュナベル先生は、まず人類がヒトの身体を解明してきた歴史、そして医療の歴史を振り返り、「患者への教育が始まったのは19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけて」と説明。当時のポスターや新聞の見出しをひきあいに出しながら「ばい菌が病気の原因になることがわかると、医師は一般の人々に『衛生管理が病気の予防になる』と教えるようになった。これが患者教育の始まり」とした。

それ以前の医者は「一般の人は生物学や医学について知らなくて当然」と認識していた。しかし、コレラや黄熱病などの原因となる菌が発見され、その予防には衛生管理が効果的だということがわかると、医療の知識が人々に公開されるようになったのである。
糖尿病や心臓病で患者教育の効果が明らかに
 患者が病気について知ることで、病を予防したり症状を緩和したりできるという例は伝染病に限らない。その代表的な例が、糖尿病や心臓病だ。

 食事の改善や運動は、こうした病気に有効である。医師は患者のライフスタイルについて知り、食事や運動を指導し、患者の側は医師の指示に従って実践していくようになった。つまり、医者と患者のコミュニケーションは、ますます重視されるようになった。  「アメリカでは1970年代にこうした患者教育が始まり、血管病ではおおいに成果を上げてきました」とシュナベル先生。 こうして、病に対応するには、医師と患者の対話が大切という意識が育っていった。
患者の権利であるインフォームド・コンセント
20世紀のアメリカでは、個人の権利を尊重しようとさまざまな社会運動が起こり、患者権利法も施行された。この法律では、患者には「どんな病なのか」「誰が治療するのか」「どんな治療をするのか」などといったことを知る権利があるとしている。

これにもとづいて義務付けられているのが、インフォームド・コンセント。患者は医師から病気の性質や治療方法などについて説明を受け、理解したうえで同意する。つまりコミュニケーションがなければ、インフォームド・コンセントは成立しない。
ただし「Don't Tell Mama Syndrome(ママには言わないで症候群)」という言葉があるように、がん患者などの場合は家族が本人に告知したがらないというケースもある。

100804_02.jpgシュナベル先生は「私が新米医師の頃は、患者に正しい情報を与えないことは絶対に間違いだと感じていた。でも、現在ではそうとは限らないということもわかっている」としたうえで、「患者は自分の病状についての情報が不十分だと、実際よりも悪いほうに考える傾向がある。しかし完全に情報を得られれば医師との信頼関係が築かれ、積極的に治療に参加できる。また、余計な不安などのストレスを受けにくい。自分に何が起きているのかをよく理解している患者は、副作用にもよく対処できる」と述べた。

医師と患者のコミュニケーションを円滑にするには
 「治療をうまく進めるには、医師は患者とよくコミュニケーションを取る必要がある」として、シュナベル先生は4つのポイントを掲げた。その4つとは、「1明確さ(患者が明らかに理解している状態にする)、2誠実さ(真実を述べ、患者には医師が知っていることを知らせる)、3現実的な期待(「絶対に大丈夫」などと安易なことは述べない)、4希望を与える(どんな状況にあっても患者を勇気づける)」である。

 こうしたコミュニケーションは、医師からの努力だけでなく、患者の積極的な参加によって初めて意味をなす。「乳がん治療はとくに、さまざまな方法があり複雑です。それらの治療法の内容、リスク、利点、副作用のほか、どのような代替療法があるのかといったことについても、患者がよく理解したうえで、治療方法の決定がなされるべきです」。つまり、患者が自身の病気について知ることは、治療の基盤となるのだ。
患者が自分たちで声を上げることも大切
 アメリカでは乳がん患者団体の活動が活発である。また、乳がんであることをカミングアウトする女性アーティストたちが登場するなど、雑誌やテレビなどでも乳がんについて声高に語ろうという動きが目立っている。「こうした女性たちの努力は素晴らしい。私たちは声高になりすぎるということはない」とシュナベル先生。

 そして「世界中の医師、科学者、そして女性たちが一丸となって力を合わせ、次世代のすべての女性の人生から、乳がんの脅威が取り除かれることを期待しています」と力強く述べた。
ヒルル読者へのメッセージ
100804_03.jpg 講演後、ヒルルのサイトを見たシュナベル先生は「ステキ! 日本語はわからないけれども、こういうサイトから乳がんなどの情報を得られるのは素晴らしい」と感想を述べてくださった。
 またヒルルの読者に対しては「病気と共にあるのは患者自身。主治医でもずっと24時間手助けすることはできません。だからこそ、知識を得て患者力を育ててほしい」とメッセージをくださった。「知恵と力を得た患者は、自分の病気に責任を持ち、自ら治療に参加できます。それがより良い結果を生むはずです」。

取材協力先;
BCネットワークJapan pink.gif
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茶色いおりものがでます...

(第3 回 相模野病院 上坊先生インタビュー)

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ヒルル:どうして茶色いおりものができるのですか?
上坊先生:「茶色いおりもの」は、少量の出血が子宮や腟の中にたまっている間に色が茶色に変化して出てくるものです。原因は不正出血の場合もありますし、排卵出血など異常ではない出血の場合もあります。
ヒルル:不正出血の原因として考えられる原因は何ですか?
100610hiruru01.jpg上坊先生:不正出血の原因として考えられるもの?それはいくらでもあって、ゆうこさんのような20歳代から30歳代の女性なら、ありとあらゆる可能性が考えられます。私が医学部の学生にぶっ続けで何時間も話しても足りない話ですよ。若い女性によくある原因は、ホルモンバランスの乱れ、子宮のびらん(ただれ)、ポリープ、腟炎...。妊娠関連なら、流産とか子宮外妊娠も考えなくてはいけないし、子宮筋腫でも不正出血や茶色いおりものがありうるし...。
ヒルル:茶色いおりものは子宮頸がんの可能性があるのですか?
上坊先生:人間の身体は機械でありませんから、病気はなくても2~3日生理が遅れたり、たまには茶色いおりものがあったりするのはあり得ることです。まあそうは言っても、茶色いおりものが初めてなら驚いてしまうでしょうね。子宮頸がんの可能性もないわけではありませんが...。ゆうこさんも異常だと思ったら、悩んでいないで病院に行きましょう。医師は、ここからこうなって、どこにどういう原因が...と、患者さんの話と診察だけでほとんど診断することができます。想定していない時の出血や月経だと思っているのにちっとも止まらない、などというのはどこか病的ですし不快だと思いますから、止める手段を講じた方がいいと思います。
ヒルル:受診するときに用意するものは、質問のメモ書きだけでいいですか?
100610hiruru02.jpg上坊先生:ゆうこさんは基礎体温表をつけているかしら?基礎体温表も持ってきてください。それから、ゆうこさん、前の月経から12日というのは、月経初日から12日目? それとも、終わった日から12日目なのでしょうか? 月経初日からだとしたら、排卵に伴う出血も考えられますね。基礎体温表を見れば、排卵性の月経か無排卵か、妊娠しているかどうかなどもすぐわかります。普段は排卵があっても、ストレスで一時的に無排卵になっている人もいます。
ヒルル:もし、これがゆうこさんのお母さん世代の人や他の年代の人だったら、どうですか?
上坊先生:もし、閉経した人に不正出血や茶色いおりものが出たら、即、病院に直行です。これは女性ホルモンバランスの問題ではないですから、この場合は悪性の病気可能性が高くなります。萎縮性膣炎で出血することもありますが、子宮頸がん、子宮体がん、卵管がんなど、さまざまな悪性の病気がも頭に浮かびます。一方、思春期の女の子の不正出血は身体の成長に伴うものが多く、重大な病気があ隠れていることは少ないです。小さな子なら結構ケガも多いですね。
ヒルル:ゆうこさんにアドバイスをお願いします。
上坊先生:医師の診断がないと、ゆうこさんがほんとうに病気なのかどうかさえ、誰にもわかりません。でも、診察すれば、一目瞭然で診断できることも多いのです。特に20代の女性の茶色のおりものは、病気の可能性としてはありとあらゆるものがありますから、ネットで情報を探しても、必要な情報を選べず、不安が募るだけですよ。悩んでいないで、婦人科の医師に診断してもらいましょう。もちろん子宮がんの検査も受けてください。これを機に、ゆうこさんのような若い女性は基礎体温表をつけることを習慣にするのもいいと思いますよ。
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乳腺症・・・。のう胞(2/2)

(第4回 聖路加国際病院 インタビュー)


ヒルル:しこりと間違えられやすいのは、どのような場合なんですか?
100517_01.jpg 矢形先生:通常の診断では、超音波検査をします。この検査では、白と黒で色を分けて影を見ていますが、がんものう胞も黒くうつります。のう胞の場合、特に真っ黒なのでがんと見分けがつきます。何か細胞が入っていると、灰色っぽくなったり白っぽくなったりするんです。ところが、中には本当に黒っぽくうつる、がんもあります。だから、それを間違えてはならない。これは病院側の問題なのですけれど。怖いのは、いびつなのう胞と思っていて、のう胞ではなかったときです。ただ、間違いなくのう胞だという前提であれば、これは心配ありません。あきらかに病院で「これは、のう胞です」とキチッと診断がされているのであれば安心してよいけれども、そうでない場合は、一応、訊いておいた方がいい。
ヒルル:いびつということは、あり得ることなんですね?
矢形先生:そうですね、十分あり得ますね。我々もはじめての超音波検査で、クシャクシャの、いびつなのう胞を見るとドキッとすることもありますよ。経過を追っていれば、ぜんぜん心配ないですけどもね。医師が心配であれば、キチッと針を刺して細胞なり組織を採って確認します。それは医師の判断です。
ヒルル:マンモグラフィは使わないのですか?
矢形先生:のう胞がたくさんある人はね、マンモグラフィという検査で、がんを見つけることは難しいことが多いですね。だから、超音波検査をやってもらった方がいいかと思います。若い人は乳腺組織が豊富なので、マンモグラフィで見えにくい場合が多いです。
ヒルル:どうして、見えにくいのですか?
矢形先生:組織が豊富だと、中が透けて見えないのです。がんも組織ですから、組織と組織が重なってしまうと見えなくなってしまう。みんながみんなそうではなく、きちんと見える人もいますけどね。
ヒルル:マンモは先生によってよく使う方、使わない方と別れるのではないかと思いますが。

100517_02.jpg矢形先生:いえ、マンモグラフィはやはり基本です。検診としては唯一、世界的に有効性が証明されているものなので、通常は撮ることが多いですね。ただ、先ほど言ったように乳腺組織が豊富な人や、のう胞がある人はわかりにくい場合もあるので、人によって使い分けることもあります。ただ、一度はマンモグラフィを撮ると思います。マンモグラフィでしかわからないものもありますから。
ヒルル:マンモグラフィでしかわからないものとは?
矢形先生:たとえば、「石灰化」と言われる、白い点々です。超音波でも見えるものあるのですけれど、マンモでしかわからないものも結構ありますから。 いずれしても、のう胞の中にしこりの成分、組織がある場合は、病院でキチッと確認しなければならないですね。
ヒルル:けんけんさんのお母さん世代の人たちに何かアドバイスを。
矢形先生:閉経後の人、生理が終わって、のう胞ができる人は稀です。からだの中で女性ホルモンが減って乳腺を活発に活動させようとすることはなくなっていきますので、そこで何か水を含むしこりが出てきたときは要注意ですね。
ヒルル:矢形先生、ありがとうございました
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乳腺症・・・。のう胞(1/2)

(第3回 聖路加国際病院 矢形先生インタビュー)

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ヒルル: けんけんさんは、のう胞があることで不安になっていますが。
矢形先生:基本的に、のう胞は放っておいていいものです。
100423_01.jpg 乳腺の細胞というのは分泌物を出すという役割を果たしていますね。分泌物を出そうとしているのに、それが乳管に沿って出て行かなければ溜まってくるわけです。 そうすると、所々に袋を作っていって水の溜まりができます。1カ所だけできる人もいれば、何カ所もできてしまう人もいます。乳管が膨らんだもので、それ自体はがんでないので、放っておいていいものなのです。
ただし、のう胞の中に放っておいてはいけないものもあります。のう胞で水の溜まりを作っているのは同じでも、その内部に何かしこりの成分がある場合です。たとえば、乳管内乳頭腫というものがあります。この場合は、袋を作って自ら分泌物を出して増殖していきます。これは良性なのですが。あと、のう胞内乳がんというのもあります。やはり同じように袋を作りながら、水を溜めながら、がん細胞が増殖してゆく、しこりの部分も増えてゆく。のう胞の中に、そういったしこりの部分がある場合は、注意が必要です。
ヒルル: 乳管内乳頭腫と、のう胞内乳がんの明らかな違いは?
矢形先生:この2つは、実は見分けるのがなかなか難しいのです。だから、組織を採取して診断しなければならない。確かに全般的な違いはあるのですが、絶対的なものではないので、これは乳腺の専門医にかかって組織をとってもらい診断を確実にする必要があります。
ヒルル: この場合、年齢は関係しますか?
矢形先生:年齢によっても違います。30代ならば、だいたい良性の乳管内乳頭腫のことの方が多いですね。逆に60代、70代、80代となってくると似たようなものがあっても乳がんである可能性が高くなってきます。ただし、これも絶対ということではありません。
ヒルル: けんけんさんは、さらに詳しく調べる必要がありますか?
矢形先生:単なる、のう胞とハッキリわかっている場合は、針を刺す必要もないし、基本的には放っておきます。ただ、しこりっぽくなってきて気になる場合は針を刺して水を抜くことがあります。でも、また出てくることがありますよ。その場合には、針の刺し損かもしれません。
ヒルル: けんけんさんは、いびつなのう胞ということで心配されてますが。
矢形先生:投稿をみると、のう胞があって、経過観察をしている。その中にいびつなのう胞があって不安で仕方ないということですが、このようなことは、ときどきあります。
ヒルル: どうしてですか?
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矢形先生:水が溜まって膨らんでいるときは、均等に押し出しますので丸くなります。しかし、それが萎もうとしたときには、皺になりますね。緊張が解けて吸収傾向にあるときは、こうした、いびつな形をとることがあります。前からあるのう胞で、それがちょっといびつになっただけであれば、放っておいていいと思います。ただし、ときに、通常のしこりをのう胞と見間違えることもあるので、その点は注意が必要です。

乳腺症・・・。のう胞(2/2)に続きます

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子宮經ガン異形成、お医者さん探し

(第2回 相模野病院 上坊先生インタビュー)

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ヒルル:ぽちさんは組織診のとき、とても痛かったようですが、通常、このように痛いのですか?
上坊先生:「内臓の一部を引き千切られるような痛み」こんなに痛いということは聞いたことがありませんね。ましてや、組織診の後、ひと月も痛みが続くなんてことは考えられないと思います。何か他の原因があるのではないかと思いますが、実際に症状が出ているご本人を診ないと、わからないです。痛みの感覚には大きな個人差があるし、組織検査では確かにチクッとした痛みや不快感はあるでしょう。ただ、採取するのが舌の組織なら人間は失神しますが、子宮頸部はもともと感覚が鈍い場所ですから...。組織診のあと多少の出血があることはやむを得ません。時には出血が多くて、縫合が必要になるケースもあります。ただ、少量の出血が「6日間続く」ということ自身は特に異常ではありません。
ヒルル:「痛みが一ヶ月続いて、三週間目あたりに激痛が襲って街の中で気が遠くなりました。」とありますが、通常、こんな痛みがひと月も続くのでしょうか?
上坊先生:組織診が原因なら続かないと思いますよ。ぽちさんは組織診をした医師に、そのことを伝えたのかしら?
ヒルル:ぽちさんの投稿から見ると、診察した「さっさと患者をさばきたい感じ」の医師に、痛みを伝えることができる雰囲気ではなかったようです。
01.jpg上坊先生:一つ言えることは、組織診をした医師には、患者さんを診察した責任があります。予想以上に痛かったり何か心配だったりした場合、症状が出ているうちに組織診をした医師に診てもらうのは当然で、躊躇している場合ではありません。
 こういう場合、診察を受けた翌日でもいいから、まず、病院に電話して受付の人に冷静に「昨日、組織診を受けて、今日になっても痛みがひどいのですが」と話し、できればその医師の診察を予約します。医師は手術などで診察が不可能な場合もあります。その場合は同じ病院のほかの医師の診察を受けてもいいですし、「では他の病院に行きます」くらいのことは言っていいのですよ。
ヒルル:ぽちさんは、次の医師のところでまた同じことがあったら・・・と心配なのでしょうね。
上坊先生:まず紹介してもらった大きい病院の医師の方を受診してみたらどうでしょうか? 最初の医師とは別人だから、次の医師とは相性がいいかもしれないし、その医師とも合わなかったら「お話はわかりました。でも、セカンドオピニオンを聞きたいので」と言って、その医師に別の病院の医師を紹介してもらえばいいんです。医師は他の医師、病院を紹介する場合、技術レベルで判断して紹介します。どうしても希望があるなら「優しい先生」とか注文してもいいでしょうが、顔や態度と医師としての技量は関係ないことも事実です。そういう意味では、自力でネットで探すより、医師の紹介の方が確かなことが多いと思います。ネットで評判のいい医師がぽちさんにとって相性のいい医師とは限りませんし。
ヒルル:診察してもらった医師と相性が悪いから別の医師を紹介してもらうなんて、患者さんがそんなことをしてもいいのですか?
上坊先生:異形成と診断がでているのなら一刻を争う事態ではないから、今は、「ぽちさんにとって信頼できる主治医」を見つけるチャンスだと思いますよ。患者さんと医師だって人間関係のひとつですから、気の合わない同士はお互いに不幸。確かに、治療で付合いが長くなるうちに、お互いにわかり合えて関係がよくなることもありますが、今が問題だというなら、無理に人間関係をガマンする必要はないでしょう。
ヒルル:ぽちさんは、LEEPや蒸散法を希望していらっしゃいますね。
03.jpg上坊先生: LEEP円錐切除や蒸散法が保険適用になって、近頃は実施する医療機関が増えました。病院のホームページや雑誌などで手術件数が多いところを確認するのも、一つの方法ですね。料金は病院に聞いてください。なお、LEEPは日帰り手術と一、二泊の入院で手術するタイプがあって、ぽちさんなら入院の方がいいと思います。これだったら、手術の翌日に出血や子宮の状態を病院で確認してくれるから、異常がないことが確認できて安心して退院できるでしょう?
ヒルル:ぽちさんにアドアバイスをお願いします。
上坊先生:大事なぽちさんの身体です。早く診察に行ってくださいね。
このケースは医師が説明不足だったのでしょうが、患者さんがとても気になっていることでも、質問しなければ医師には通じません。その結果、医師に聞き損ねるケースは結構多いですよね。そういう場合、診察の時、これまでの経過を書いたメモを用意して持って行くといいんですよ。そのメモを見ながら、「ぽちさんはこういう検査を受けたらこうなって、それに対してぽちさんがどう対応したか、この他にも具合が悪くなった検査があるか」いう経過を簡潔に要領よく話すと、ぽちさんの状況が次の医師によく伝わります。メモを見ながら話すのは医師に失礼だ、なんて思うことはありません。
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病気ですか?(2/2)

(第2回 聖路加国際病院 矢形先生インタビュー)

ヒルル: 次に、イチバン気をつけるべきことを教えてください。
sei1jpg.jpg矢形先生:一番気をつけなければならないのは、どちらかの乳房の1つの穴から茶色っぽい(赤っぽい)分泌物が出ている場合です。これはもうキッチリ病院に行ってもらって、シッカリと確認してください。ただし、出産後にミルクと共に、時々ちょっと出てくることがあるんですね。そういうときはたいてい大丈夫です。でも、この状態が続くときは、一応、病院に行ってチェックしてもらった方がいいでしょう。
ヒルル: 茶色っぽいものは何ですか?
矢形先生:乳管の中にがん細胞が増殖してくると、がん細胞の組織は非常にもろく、そこに作られてくる血管が破綻しやすいのです。キチッとからだの構築をするのではなく、てきとうに増殖してきて、その中に血管がどんどんと作られるので、非常にもろくなります。もろいということは、壊れやすくて血液が溜まりやすいのです。それがまわりの水などと混じって出てくるのが、茶色い分泌物です。
ヒルル: 茶色っぽい=がん、なんですか?
矢形先生:いいえ、がんでなくても、そういうことはあります。良性の何か小さなものができても、そこの血管が破綻すると、血液が溜まって、まわりの水と血液が混じりあって、茶色っぽいものが出てくることがあります。基本的な考え方を言えば、一番安全なのは、両側から、あるいは複数の穴から出ている場合、特に乳汁状のものは大丈夫、黄色透明であっても複数の穴から出ているものは大丈夫なものが多いということになります。
ヒルル: 何か異常があったら検診を受けに行くべきですね。
矢形先生:まず「検診」と「病院に行く」というのは、全然ちがうスタンスです。検診というのは「特に私はなにも症状がない」という状況で検診に行きます。もし何か異常があったら、すでにそれは検診ではなく「病院に行くべき」という状況です。
ヒルル: 病院に行かなければいけない状況は、ほかにどんなときでしょうか?
sei2.jpg矢形先生:乳房の一部が、ちょっと凹んでいる「えくぼ症状」というのがあります。これは下にがんができて組織を中にギュッと引き込む症状です。つまり皮膚が凹んでいるわけです。それから、どこか一部の皮膚が赤くなる「発赤(ほっせき)」ができたり、乳房全体が赤くなってきたりしたときは、病院に行った方がいいですね。
ヒルル: 赤くなった場合も、がんですか?
矢形先生:炎症、つまり乳腺炎かもしれません。しかし、すごく質(たち)の悪いがん、炎症性乳がんということもあります。実は若い人で、炎症と間違われて見つけるのがおくれてしまう人がいるのです。特に産褥期で、乳房が赤くなってきたとき、「ああこれは乳腺炎だ」と、何ヶ月も炎症の治療だけ行われている場合があります。どうも治らないということで乳腺科に来たときは、がんとしてかなり進行している、ということがあります。産褥期のこうした赤い発赤乳腺炎の場合がほとんどです。しかし、その中に炎症性乳がんという、変わったタイプのがんが隠れているので注意が必要です。
ヒルル: そのほかには、何か気をつけたい症状はありますか?
矢形先生:若い人にはあまり出ないのですが、乳頭の表面が荒れるケース、「びらん」と言いますけども、ちょっとタダレてきたという場合は要注意ですね。がんの症状である可能性があります。がんの場合は、乳管をずっと育ってきて、行くところがなくなり乳頭の表皮に拡がった結果。表面のきれいな表皮がなくなり荒れた状態になります。パジェット病という名前がついた、がんです。そういう場合は、皮膚科ではなく乳腺科ですね、皮膚科の先生も見逃さないとは思いますが...。
ヒルル: ありがとうございます、矢形先生。


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病気ですか?(1/2)

(第1回 聖路加国際病院 矢形先生インタビュー)

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ヒルル: これは乳汁なのでしょうか?
矢形先生:左の乳首から液体が出て、白い布などにつくと黄色く見えるということですから、おそらく黄色透明な液体であり、乳汁ではなさそうですね。
ヒルル: 何かの病気なんでしょうか?
001.jpg矢形先生:病気が隠れている可能性がないとはいえません。しかし、はるなさんの年齢が22歳なので、がんであるという可能性はきわめて低い。20代前半で乳がんになる方もいますが、きわめて稀なので、すぐにがんを心配する必要はないと思います。ただし、同じ状態がさらに2、3ヶ月続くようでしたら、一応、病院に行って確認したほうがよいと思います。
ヒルル: でも、6週間、7週間とこの状態が続くとやはり心配になりそうですが...
矢形先生:たしかに心配した方が良いケースもあります。実は乳頭には十数個の穴があります。そのうちの1つの穴だけから液体が出ているなら、何らかの病気が隠れている可能性があります。この場合は病院に行って超音波などの検査を受けていただいて、何かおかしなものがないか確認してもらった方が良いと思います。複数の穴から出ている場合は、あまり心配する必要はないと思います。
ヒルル: 液体の出る穴がひとつの場合は病院へ、複数では心配する必要がないというのは、どうしてでしょう?
002.jpg矢形先生:何が心配かというと、がんです。がんというのは、あるひとつの乳管から作られます。そうすると、そこの乳管の中をがんがはっていくので、ほかの乳管には移っていかないのです。だから、通常、一カ所だけから出てきます。

ヒルル: たいへん参考になりました。似たようなケースについてもっとお話しいただけますでしょうか?
矢形先生:たとえば乳腺症というものがあって分泌物を作ることがあります。あるいは若い人で乳房が発達していると、乳腺の組織で分泌物を作る傾向があります。乳房全体として作っている場合には、分泌物があちこちの穴から出ることになるので、むしろ心配は少ないでしょう。
ヒルル: はるなさん(22歳)のお母様世代には、いかがでしょう?
003.jpg矢形先生:年齢が高い人の場合、たとえば40代、50代となってきて、1つの穴からこうした分泌物が出るなら、病院に行って確認した方がいいですね。最近は、乳腺専門のクリニックが全国的にたくさんできてきています。こうしたクリニックはインターネットでも探せるので、一度そういうところに行って確認するということも大事だと思います。
ヒルル: 心配しないで大丈夫な場合を教えてください。
矢形先生:授乳期でなくても白い分泌物が出るという、まさに乳汁状の場合、大丈夫な場合がきわめて多いですね。1つの穴からではなくて、いくつかの穴から出ていたり、両方から出ていたりする場合は、問題ありません。

※「病気ですか?(2/2)」に続きます。

ヒルル「専門医 ドクター Q&A」は、ユーザーに対して診断を行うものではありません。ある事例に対して、がんの予防や早期発見、治療などについての専門医による助言を提供し、医学的にどのような選択肢があるのか理解を深めていただくための情報コンテンツです。
また、投稿コメントが必ずしも投稿者自身の状態を正確に評価し、過不足なく記述されているとは限りません。当サイト内で得られた情報はあくまでも参考程度にとどめ、個々の症状およびケースについては、しかるべき医療機関を自身の判断で受診してください。(ヒルル管理者)

子宮頚がん予防ワクチン接種時の痛みについて

(第1回 相模野病院 上坊先生インタビュー)

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ヒルル:サーバリックス(子宮頸がん予防ワクチン)は痛いのですか?

上坊先生:はっきり言って、痛いです。私の35才の娘が接種してきて、そう言っていました。(笑) 筋肉注射ですし、薬の成分から考えても痛いと思いますね。
上腕部に打ちますが、注射を打った部分がまっ赤になる人や打った当日に全身倦怠感を訴える人もいます。痛みが2~3日続く場合もあるようです。でも、3日もすれば消える痛みですし、がんの骨転移のようにずっと続く痛さとはわけが違います。

 

ヒルル:「これから接種するとき、気をつけることは何ですか?

05.jpg上坊先生:特別なことはありません。当日 渡される注意事項のメモも、常識的なことですよ。お風呂も特に禁止していません。子宮頸がんのワクチンは半年間に合計3回(1回目を打った後、2回目をその1ヶ月後、3回目をその6ヶ月後)接種します。
ただし、妊娠中は接種できません。接種期間中に妊娠した場合、2回目の接種が済んでいれば、出産してから3回目を接種することができます。もし、2回目の接種を打ち損ねてしまうと、残念ながら1回目からやり直しです。

 

ヒルル:ワクチンを打つ前に、子宮がん検診を受けた方がいいですか?

上坊先生:ワクチン接種前の子宮がん検診は必須ではありません。でも24歳の女性なら、私は受けた方がいいと考えています。もし何か病気が見つかれば、そちらの治療が優先です。よっすぃ~☆さんは20代ですから、細胞診さえすれば、HPV検査は受けなくていいです。
HPV検査は20代の人だと四人に一人ぐらいはHPVに感染していて検査が陽性に出てしまいますが、多くの場合HPVは自然に消えてしまいます。ワクチンにはHPVの再感染を予防する効果がありますから、HPV検査の結果が陽性でも陰性でもうつ価値があります。逆にHPV検査を受けなくてもいいことになります。

 

ヒルル:ワクチンを打つ必要がない人は?

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上坊先生:30代、40代でLEEPや円錐切除術を受けた人については、予防ワクチンを接種した方がいいという報告はまだないんです。それに、円錐切除術を受けた人は定期的にしっかり検査しているわけですから、私は予防ワクチンを打つ必要はないと思います。
どうしても心配なら、担当の先生と相談してみてください。50代以上の人も、予防ワクチンより定期検診をきちんと受ける方が安くて効果的ですね。

 

ヒルル:予防ワクチンは3回接種で5万円くらいですよね。高い気がするのですが。

上坊先生:私は高くないと思いますよ。命の方が大事です。それにサーバリックスは少なくとも20年は有効のようですから、インフルエンザのように毎年接種する必要はありません。ただしワクチンで予防できるのは、頸がんの70%くらいです。接種の後も定期的な子宮がん検診は不可欠です。ワクチンと定期検診を確実にすることで、子宮頸がんになるリスクは、ほぼ100%なくなります。
よっすぃ~☆さんの年齢なら、これから妊娠を控えていると思います。子宮がちゃんと残せることはとても大事なことです。実際に子宮頸がんになったら、妊娠を諦めなければならないかもしれません。治療にはお金もかかるし、精神的にも肉体的にも大変辛いです。それでも治ればいいですけど...。。

 

ヒルル:子宮頸がん予防ワクチンは最近注目され始めたばかりのせいか、セクシャルデビュー前でないとの効果がないとか、コンドームを使えばHPVに感染しないとか、たくさん誤解があるようです。

上坊先生:そうです。各国でセクシャルデビュー前の少女にターゲットを絞って接種するのは「より感染の機会が少ないうちに接種するのが費用対効果から考えてベスト」という意味で、すでにセクシャルデビューしている人に意味がないわけではありません。18歳でも24歳でも35歳でも、接種以降のウィルス感染に対しては十分有効です。
それから、「コンドームを使えばHPVに感染しない」というのも間違いです。エイズなら感染するのが精液の中にいるウィルスなので、コンドームで防御できますが、HPV(ヒトパピローマウイルス)は扁平上皮という子宮やペニスの粘膜の中にいる細胞なので、男性が一貫してコンドームを使い続け、女性も一貫して何かでカバーして一切直接接触しないなら話は別ですが、そうでなければ感染するんです。

 

ヒルル:地方自治体によっては、小学生高学年から中学生くらいの女子を対象に、無料にしたり半額負担をしたりしています。海外の先進諸国では政府が支援しているようですが、日本ではどうでしょうか。

00.jpg上坊先生:新潟県魚沼市・南魚沼市県、埼玉県志木市、東京都杉並区、栃木県大田原市、兵庫県明石市などで子宮頸がん予防接種の料金を全額補助したり、名古屋市のように半額補助を決めたりしていますね。国が予防接種のターゲット年齢を提示していないので、接種対象年齢は、小学6年の地区もあれば、中学生の女子全員を対象にしているところもあるなど、自治体によってばらばらです。

 

ヒルル:海外では、子宮頸がんワクチンの予防接種を積極的に助成している国が圧倒的に多いようです。日本ではどうでしょうか。イギリスやオーストラリアは政府の啓発活動も充実していますよね。

上坊先生:海外では国の政策として、10代前半をメインエイジと想定して無料で接種し、それ以外の予防接種の希望者は26、27歳あたりまでをキャッチアップ年齢と位置づけて接種時に補助金を出している国が多いです。
日本は子宮頸がんワクチンの承認が海外より遅れた上、ワクチンを承認はしたものの、公費の女性や具体的な接種対象は決まっていません。国が方針を出していませんが、年間3, 500人もの女性が命を落としている子宮頸がんが予防できるのです。国は責任を持って、方針を打ち出すべきだと思います。

 

ヒルル:子宮頸がん検診の方は、日本でも特定の年齢の女性に無料クーポンが配られたようですが、受診率は上がっていますか?

上坊先生:今年から、住まいのある市区町村から20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の女性に無料クーポンが配られたおかげで、明らかに受診者が増えています。役所からの通知を間違えて捨ててしまった人は、再発行してもらえるようですから、市区町村の役所に問い合わせてください。来年も継続されるようです。

 

ヒルル:よっすぃ~☆さんもお誕生日を迎えたら、来年は無料で検診を受けられますね。上坊先生、今日はありがとうございました!

「卵巣がんはどのように診断されるの?」 「チョコレート嚢腫ってがんになる?」

(第3回 癌研有明病院瀧澤先生インタビュー)

診断が難しい、組織診断できない"がん"



卵巣がんの診断は、腫瘍マーカー、MRIやCTなどの一般的ながん検査に加え、子宮内腔の細胞を採取する細胞診などによって判断されます。

経膣超音波検査(エコー)の精度が高まったことで、かなりの確率で卵巣がんであることが確かめられるようになりましたが、実は手術をして組織を病理検査するまでは、がんかどうかはわからないのです。

卵巣に直接針を刺して細胞を抜き取ることができれば、手術前にがんかどうかを診断できるのですが、それは"やってはいけないこと"とされています。まだ破裂していない卵巣腫瘍に針を指した場合、針穴から内容物や細胞がこぼれてしまう危険があるからです。

卵巣がんの検査でありながら、子宮内腔の細胞診断をするのはそのためです。卵巣のがんや腹水は、卵管を通って子宮内に入り込んでくるので、がんがある程度大きい場合、1/3以上は、この子宮内腔細胞診でわかります。

このように卵巣がんの診断・早期発見はとても難しく、「たぶん卵巣がんであろう」という「疑診」のもとで手術・治療が行われます。

100127_2.jpg真興交易医書出版部
心配しないでいいですよ 再発・転移子宮がん
瀧澤 憲 (著)
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■チョコレート嚢腫は、必ず定期観察を!
近年「チョコレート嚢腫ががん化する確率」や「どの段階で手術をしたら予防できるのか」を調査する試みがはじまっていますが、まだはっきりとした調査結果はでていません。
完全な証明はされていませんが、現在のところ5cm以上のチョコレート嚢腫が10年ほどの間にがん化する確率は、5%以上ではないかといわれています。

チョコレート嚢腫は日本人女性の14~15人にひとり、不妊症の人の3人にひとりが患っている病気です。チョコレート嚢腫自体は良性の卵巣腫瘍ですが、年数を経て将来的に、類内膜(るいないまくせい)腺がんや明細胞(めいさいぼう)がんに変化する危険性を秘めています。

100127_3.jpg現在の婦人科の方針では、予防の意味でも、ある程度の大きさ(5~7cm位)になった場合は、早い段階で手術するのが好ましいと考えています。
卵巣がん発生のピークは50歳台ですから、閉経後にチョコレート嚢腫らしいものが見つかれば、大きくなっていない場合でも切除した方がいいでしょう。
しかし、これから結婚・出産を控える若い世代にとっては、非常にデリケートな問題ですし、出産後にチョコレート嚢腫がなくなるケースもないわけではありません。 すぐに手術を考える必要はありませんが、大きくなっていないか、定期的な経過観察は怠らないようにしてください。

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